20200328:Dear…星パン屋(※長いです)

2月に本牧ハローカフェさんの閉店を惜しむ日記を投稿したばかりですが、
今回も、また、大切な大切なお店とのお別れの日が来てしまいました。

閉店前に名残惜しんでたくさん星パンを買い込み
ずっと冷凍庫に保管していたので(冷凍焼けよりもなくなるのがいやで…)
いまだに閉店の実感が湧かず、
この投稿も下書きして保存、下書きして保存をくりかえしちっとも進みませんでした。

星パン屋さんのオープンはラジオで知りました。
当時行きつけだったカフェのオーナーさんからも大変美味しいとの情報。
地元としてはあまりに意外な場所でのオープンで、
初めて行ったのはオープンから半年近く経ってからだったと思います。

私は一瞬で星パン屋ファンとなりました。
お店のイチオシ「地球パン」
今まで食べたことのない絶品食パン「カシオペア」
自分がシナモンロール好きを自覚したきっかけとなった「ギャラクシィ」

星の名前がついたパンは本当に、
どこかの星から採取した特別なエキスが入っているのでは…
と思うほどに、ここにしかない魅力溢れるパンが揃っていました。

しばらくして、私は著書を出すことになります。
まるちゃんのはらぺこパンBOOK

この時、おすすめのお店を紹介するページを作ることになり、
真っ先に選んだのが星パン屋さん。
ご承諾いただき、掲載させていただきました。
(これはぜひ本書をご覧ください。笑)

などなどのご縁もあり、
実は星パン屋さんで発行していた「光星〜koubo〜」という冊子にも
イラストを提供させていただいてました。

   

  

星パンについてのエピソードや星についてなどが満載。
星パンを描ける喜びと、描いた星パンを食べる幸福と、星パンのことを深く知れる楽しさ。
ずっとずっと大切に残しておきたい作品です。

その後、星パン屋さんと私はいろんな場面で楽しいコラボを実現させていきました。
星パン屋さんの大人気商品&私の大好物・シナモンロールのセット販売では、
各シナモンロールの紹介ペーパーを作らせていただいたり。


 

星パン屋の店長さんのすごいところは、
その創作意欲と実現力。
一つ一つに物語があり、食べる人にも物語のその先を想像させます。
シナモンロールとしての美味しさをそのままに、
様々な食材の豪華な演出で彩る。
この斬新なシナモンロールたちは本当に驚きでした。

とくに驚いたのは、
シナモンロールとパネトーネを組み合わせた「シナトーネ」。
これは最強でした…
断面の美しいこと。世界遺産にも登録できるレベルの断崖絶壁。
登場は一度だけでしたが、
いろんな意味でもう2度と出会うことのない奇跡のパンだと思います。

星パン屋さんでは、たくさんの夢を叶えていただきました。

パン作りのワークショップ。
「カシオペア会」は、
星パン屋さんの食パン「カシオペア」を作り、焼きたて食べよう!
というもの。

焼き上がってすぐの、湯気の立ち上るカシオペアを手で裂き、
まずは香りをじっくりと堪能し…

バター×はちみつの黄金ペアでいただきました。

シナモンロール会も幸せでしたね…
生地からパンになるまでを自分の手で形にしていくと、
なんだか我が子のように感じられました…

 

4種類のシナモンロールが食べられる奇跡のプレートもありました。

こちらもメニューを描かせていただき…
実食。

手前はなんと、シナモンロール食パンをフレンチトーストにしたものなんですよ…
なんて… けしからん…
美味しさにとろけて意識が宇宙に飛びました。

さらにさらに、
星パン屋さんの星パンを描こう!という初のワークショップも開催させていただきました!

私が若干若く見えるというのは置いといて。
お好きな星パンを選んでいただき、ペンを使ってイラストを描きました。
みなさん星パンを前につばを飲み込みつつ、一生懸命描いてくださり私も楽しかったです!

そんな深い思い出しかない星パン屋さん。
閉店のお話を聞いた時は正直戸惑いました。
けれど、それは決して後ろ向きなものではなく、
とても前向きな、また違う星を目指すための一歩なのです。

お店には私の著書2冊とも置いてくださって…。
いつもいつも応援してくださっていた星パン屋さん、今度は私が応援の気持ちを持って送り出す番!

なんて思っていましたが、
閉店の少し前のこと。
オープン前の時間に、
店長さんにとても素敵なおもてなしをいただきました。

おかしいな、目から滝が…
こんな美しすぎる花束、見たことがありません…

しかも、しかも!
こんなラブレターお手紙まで…

今思い出しても、胸がいっぱいです…
私の愛する場所。
愛おしいパンと、あたたかな人々。

ずっとずっと残しておきたい大切な場所。

この想いを音楽に変え、ここに残しました。
それが先日発表した…

『銀河のシナモンロール』

この素晴らしい音楽は、アコースティックユニット・OTONARIさんが作ってくださいました。
私が歌詞の元となるワードと想いを伝え、形にしてくださったんです。

星パン屋が、私のイラストや著書、そして音楽で、永遠に残りますように…

もちろんそうでなくても、私の心の中には一生あり続けます。

大好きな大好きな星パン屋さん。

ありがとうでは足りません。

地球からは離れてしまいましたが、きっとどこかの星で営業中。

また… どこかで会えたら。

本当にありがとうございました。

うん、
やっぱりまだ、
実感ありません…

だって、違う星で営業中なんですものね。

だからお別れではなく、また会いましょう。

地球店、お疲れ様でした!!

20200202:Dear…Hello!Café(※長いです)

2020年2月2日

私にとって思い出深いカフェが閉店しました。

本牧ビストロ Hello!Café

ハローカフェさんがオープンする少し前。
扉に一枚の貼り紙がありました。

“桜のつぼみのふくらむ頃、カフェをOPENします。”

すでにカフェ好きだった私にとって、カフェの少ない地元に新しいカフェがオープンすることは、
とてもとてもとても嬉しいことで、とてもとてもとても楽しみなことでした。

いつかな、いつかな、と毎日お店の前をうろうろ。(怪しい)
そして、2012年4月1日、ついにその日がやってきたのです。

ありました、ありましたよオープン初日の写真!!
発掘しました!!

当時はすっきりとした印象でした。
というのも、カフェになる前は炭火焼きのお店で店内は真っ黒だったんです。
ハローカフェは、マスターが壁を塗って仕上げた、手作りのカフェなんです。

学校帰りだったので、閉店間際に訪問した記憶があります。
コーヒーを注文すると、
「これはサービスです」と言ってオーナーさんがチョコレートのケーキを出してくださったんです。
本牧を愛し、この地にお店をオープンさせたご夫婦。
初日のあたたかなおもてなしと本牧への思いに心動かされ、お店の大ファンになりました。

実は私、ハローカフェでアルバイトをしていたんです。
でもそれは3度目の正直で。
募集の貼り紙を見て履歴書を用意するも、
ちょうど僅差でアルバイトさんが決まったところだったりして、3度目でようやく。
カフェタイムではなく夜のビストロタイムでしたが、
夜はマスターと二人でお客様をもてなすこの時間がとても充実していました。
普段私はお酒を飲まないので、ここで大人のたしなみを学んだと言っても過言ではないでしょう。

知らなかった食材、味わったことのないお酒、器の使い方…

マスターやお客様から教わった大人の世界、本当に素敵でした。

ある日、お客様からお酒を一杯プレゼントしていただいた時、
マスターが即席で作ってくれたカクテル「マルガリータ」は、一生忘れられない思い出の味です。

その後、私は学校のスケジュールの都合でアルバイトを辞めることになったのですが、
卒業し、イラストレーターになってからもまた一人のお客さんとしてハローカフェにはたびたび訪れていました。
オーナーさんの明るく前向きな言葉にいつも励まされ頑張ることができる。
悩みがあっても、ここに来るとふっとんじゃう!
この素敵な場所を、いつか、自分の著書で紹介したいな…と密かに思っていたんです。

2018年
日本全国 しあわせ喫茶&カフェ探訪』発売。
その希望が叶いました。
ちょっとだけ、恩返しができたかな… なんて、思っています。
いただいたものが多すぎるので、お返ししてもしきれないのですが。

とくにハローカフェから繋いでもらったご縁は数知れず。
中でも驚きのご縁は、
オハ劇です!!

もともと私は朝劇下北沢を観に行っていまして、もちろんオハ劇も観に行きまして、
「いつか横浜でもやってほしいな〜ハローカフェならできそうだけどな〜」
と思っていたんですが…
いろんな偶然が重なって重なって、
なんと奇跡のオハ劇 in ハローカフェ実現…!!
略して「ハロ劇」です*

著書だけでなく、まさかこんな希望まで叶ってしまうなんて…

大好きなハローカフェで繰り広げられる大好きなお芝居…
こんなに嬉しいことはありません。
私もチラシを作らせていただいたり当日ドリンクを配らせていただいたりと、少しだけお手伝いさせてもらいました。
この時間も一生の宝物…!

ハローカフェ閉店の前日にも、朝男芝(あさだんし)のみなさんが最後のハロ劇公演をやってくださいました。
涙涙の最終回。
でもきっと、ここが始まり。
永遠のお別れではなく、この場所で生まれた繋がりがこれからもぐんぐん伸びていくことでしょう。

そうして迎えた最終日はライブありトークありのパーティー形式で、
父と一緒に最後のマスターの手料理をいただいてきました。

正直、今も閉店した実感はありません。
閉店したけれど… やはり”繋がっている”という感覚が大きいのかもしれません。

オープン初日から閉店当日、そして、
先日は内装の解体作業にもちょこっと顔を出させていただきました。
オハ劇でお世話になった朝男芝のみなさんが力を発揮してくださり…

みなさんのおかげで、ハローカフェを最後の最後まで見守ることができました。
朝男芝のみなさん、本牧まで来てくださってほんとうにほんとうに感謝です…!!
これからのオハ劇の発展、そして俳優さんみなさんのご活躍を心から応援しています!!

そして、私はハローカフェから2つ、受け継いできました。

アンティークの木の箱と、ラテ用のピッチャー。

木の箱は、イベントの時に使いたい!とガレージセールで購入させてもらいました。
マスターが大切にされていたものなので、私も大事に大事に使います。
ミルクピッチャーはご好意でいただいてしまいました…!
おうちでミルクフォーマーを使うのにちょうどいいものがなく、ずっと欲しかったんです…!
安定するし使いやすくて助かっています!

本当はまだまだ書きたいことがたくさんあるのですが、
尽きないので、このへんにしておきます 笑

思い入れがありすぎて、いつまでたってもブログの内容がまとまらずにいたのですが…
先日の解体作業に参加したことで、私もようやく踏ん切りがつきました。

本牧にはこんなにも素晴らしいカフェがあったこと、
私の著書に一生残せてよかったです。
そして、私の人生に永遠にあり続けます。

本当にお疲れ様でした。
たくさんたくさん、ありがとうございました。
そしてこれからも、ずーーーーっと、よろしくお願い致します!!

まるやまひとみ

20190922:Dear…Café Recherche(※長いです)

本日17時。
私が約5年間通いに通いまくりました愛しのカフェ、
横浜・麦田町の「Café Recherche」さんが閉店されました。

著書『日本全国 しあわせ喫茶&カフェ探訪』でも、
地元のおすすめカフェとしてご紹介させていただいたお店です。

こちらがオープンしたのは2014年6月。
私が伺ったのはその年の11月でした。
レジ横に並ぶ焼き菓子をテイクアウトするために伺ったのですが、
オーナーさんが丁寧に説明してくださったり、
あまりに素敵なインテリアだったので写真も撮らせていただいたり、
気さくに接してくださったのが印象的でした。

当時まだ学生だった私は、卒業制作の真っ只中で、
その卒業制作で作ったカフェの本に、ちょっとだけ、描かせていただいたんです。
すると本を読んだ方がカフェルシェルシュさんに足を運んでくださったようで、
オーナーさんが喜んでくださり、そこから少しずつ来店のたびにお話するようになりました。

なんて、エピソードを話したらキリがなく、
ほんともう、語り尽くせぬストーリーがありまして、
多分それは、カフェルシェルシュで一冊本作れるくらい。
ほぼ毎月1回は必ず、何があろうとお店に行っていたほどです。
私の人生でこれほど通ったお店は他にありません。
ルシェルシュさんが、オーナーさんが作る全てが大好きで。

実は閉店のこと、HPで告知をされる2ヶ月前に知っていました。
オーナーさんがこっそり教えてくださって。
その理由やその後などを聞いていたので正直、私も安心していたような気がします。
ただ一言、「お疲れさまでした」と、その一言に尽きるなと。
お一人でお店をされていてとても大変だったと思います。
いつでも全力で美味しいケーキたちを提供するために努力されているお姿が、
私にはとても魅力的で、かっこいいなあと見つめていました。
私もオーナーさんみたいにカフェができたらなあ、なんて夢を見るほどに。

そんなことを想いながら、食べてきたカフェルシェルシュの絶品ケーキたち。
今まで食べたものを数えてみたら、20種類以上食べてました。
その中から厳選した16点をイラストに。

左上から、

・サバラン
・ベイクドチーズケーキ
・黒糖と小豆のロールケーキ
・苺のグラスショート
・クレーム・ジャスマン
・テリーヌ・ショコラ
・焼プリン
・カラメルバナナ
・レモンのロールケーキ
・キウイのグラスショート
・タタン風りんごのケーキ
・桜のスフェール
・ヴィクトリアスポンジケーキ
・ケイク・フィグ
・レモンシャーベット
・マドレーヌ

これには描ききれませんでしたが、スイートポテトケーキも思い出深い愛しのルシェルシュスイーツです。

追加で描いちゃいました。

シュトーレンやお菓子の家も、
初めて食べたビスキュイ ド サヴォワにアニョーパスカルも、
この美しさですよ。ご覧あれ。

本当に、本当に素晴らしいスイーツの数々でした。
こんなに繰り返し食べたくなるケーキがあるなんて…

ということで、
閉店前にも何度も訪れていましたが、
最終日の今日も行かずにはいられず、行ってきました。
ちょっと早く着いてしまったのですが、すでに並んでおられる方もいて、
私もそそくさと列へ…

運良く、私のお決まりの席みたいなカウンター席の左から2番目に着席。
心に決めていた、「ヴィクトリアスポンジケーキ」をブレンドコーヒーと一緒にいただきました。

サバランもチーズケーキもプリンもクレームジャスマンも、
閉店前にしっかり食べ納めておいたので。
とすれば最後に食べたいものは…
歴代の中でも上位のお気に入りケーキであるこちらを選択。
最終日メニューにあったガトー・ダコワーズも好きですし、
もちろん他のも食べたいけれど、ここはあまり欲張らずに…
じっくりと味わい、堪能しました。

ちょうど1巡目に入ったみなさんに配り終えたのを見計らい、
一足先に退店。
オーナーさんに直接ご挨拶して、名残惜しい気持ちでお店を後にしました。
今日はほとんどお話できないだろうと思い、平日のうちにお話しておいて正解でした。

本当は、カウンターでちょっと泣いてました。
閉店と知って訪れた方々で賑わう店内は、
なんだかちょっぴりいつもと違う雰囲気で、
カフェルシェルシュが遠く感じて、涙がじわり…
お店を出てから、少し雲が多くなった空を見つめながら30分くらい歩いてました。
日曜定休の商店街を歩くと一層寂しさが込み上げます。

でも、
わかってるんです。
また会えるってこと。
でも、
違うんです。
カフェルシェルシュという場所に行けないこと、
このお店の雰囲気で味わえないことが、寂しいんです。

大好きです、これからもずっと。
おしゃべりな私にも付き合ってくださって、
本当にありがとうございました。
無理を言ってしまったり、お気遣いもたくさんいただいて、
いつも応援してくださって、感謝しかありません。
ドラマ『さぼリーマン甘太朗』でお店が出た時のことは、私にとっても思い出です。
そして自分の著書に永遠に残すことができて、本当に本当に本当によかったです!!

まだ、語れるんですが、うん、あまりにも、長いので(笑)
あと、泣いちゃいそうなので、ここまでにします。

不思議なんですが、
閉店されるお店に行くと、次の新しい出会いに恵まれることが多いです。
本当に良いお店は、良い人を呼んでくれるんですね。
ルシェルシュさんがくださったご縁、大切にします。

オーナーさん、
5年間お疲れ様でした。
ひとまず少しの間心と体をおやすみして、
次のステージで頑張ってください!!
会いに行きます!!

まるちゃんより。